整形外科

ホーム > 診療科目 > 整形外科 > 変形性膝関節症
変形性膝関節症
高齢者の愁訴で最も多いのが腰背部痛膝関節部痛です。症状がある膝関節部症の患者は全国で 800万人を超えると推定されており、ロコモティブシンドローム(locomo-joa.jp)の原因となっている疾患です。日本は現在高齢社会であり、核家族が進み、老夫婦2人のみの世帯も増加傾向です。高齢社会に加え、働き方改革により働き手の減少からバスの減便など、皆様の生活に支障が出ているのが現状です。また、近年の医療の質の向上により長生きをする方々が多く、高齢になったときの生活の質が重要となっています。以前は「もう高齢であり、寿命が近いから手術はしない」という考えから、リハビリをしっかり出来る年齢(個人差はありますがおよそ80歳まで)で手術を受けることで転倒のリスクを減少させ、かつ膝の痛みから開放されることで老後の生活の質を向上することが期待できます。
そのためにも当院では変形の程度に応じた手術法、また変形の程度に合わせた手術機器を患者様に合わせて提供しています。さらには、より良い術後満足度を目指すために、コンピューター支援下での人工関節置換術も行っております。皆様方の生活の質の向上に寄与できればと考えております。
膝関節周囲骨切術
AKO(Around knee osteotomy)
  • 様々な手術が存在するが、比較的低侵襲の HTO(High tibial osteotomy)を主に行っています。
  • 電動のこぎりで一度骨を切り、膝関節の角度を変えた後に人工の骨を挟んで、プレートとスクリューで固定する方法です。
  • 関節外からO脚を矯正する手術で、関節内に手術侵襲を加えないため術後よく曲がります。
  • 60歳以下重労働をしている方やスポーツ復帰を考えている方が良い適応です。
  • 膝蓋骨低位膝蓋大腿関節症が存在する患者はHTOの適応外であり、それでも AKOを希望する方には高度専門病院へ紹介を行います。 手術後1年ほどで金属の抜去の手術が必要です。
人工関節置換術
人工関節置換術:TKA
(Total knee arthroplasty)
人工膝関節単顆置換術:UKA
(Uni-compartmental knee arthroplasty)
人工膝関節置換術
TKA(Total knee arthroplasty)
  • 膝関節の内外側の骨を O 脚が矯正されるように切除し、その後に金属を設置し金属の間にポリエチレンを設置することで膝の曲げ伸ばしができる様になります。
  • 膝の靱帯の一部を温存する機種、全部切除し器械で機能を代償する機種などが様々な機種が存在します。
  • 器械の特性上、手術後の膝の曲がる角度は平均120度であり、正座はできません。
  • どのような変形でも対応可能です。
人工膝関節単顆置換術
UKA(Uni-compartmental knee arthroplasty)
  • 膝の中の十字靱帯(前十字靱帯、後十字靱帯)が正常な状態で、かつ単一区画のみの軟骨の摩耗であるため、内側もしくは外側区画の単一区画のみを人工関節にする方法です。
  • ほとんどの症例が内側区画の変形で外側区画の変形は稀です。
  • 内側区画の症状は歩行時の痛みに対して、外側区画の症状は立ち上がり階段昇降の痛みになります。
  • 十字靱帯を温存されているので術後深屈曲が期待できます。
  • 低侵襲の手術で、回復も早く、傷も全置換術の1/3程の約5cm(外側は約 7cm)です。
  • 適応が厳格で変形が強い場合は適応できず、上記の全置換術になります。

前・後十字靱帯

整形外科のページに戻る